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食べる力を育てよう!噛むことと唾液がお口の健康を守ります


こんにちは!ウィズ歯科クリニック新松戸の歯科医師の手島です。

食事は、栄養を取るだけでなく、お子さまのお口を育てる大切な時間です。しっかり噛むと唾液が分泌され、食べ物を飲み込みやすくするとともに、歯や粘膜を守る働きも期待できます。今回は小児歯科の視点から、よく噛むことの意味、唾液の役割、家庭で続けたい食育の工夫をわかりやすくお伝えします。食卓から始めましょう。

1.よく噛むことは「食べる力」の土台

◎噛む動きは歯だけで行うものではありません

食べ物を口に入れてから飲み込むまでには、歯、舌、唇、頬、顎が連携して働きます。前歯で食べ物をかじり取り、奥歯ですりつぶし、舌が食べ物を左右の歯へ運びます。さらに、細かくなった食べ物を唾液と混ぜ、飲み込みやすいまとまりに整えます。この一連の働きが口腔機能です。

お子さまは、離乳食から幼児食へ進む過程で、こうした動きを少しずつ身につけます。歯が生えたからといって、すぐに大人と同じように噛めるわけではありません。食材の硬さや大きさが発達に合っていないと、丸飲みしたり、口から出したりすることがあります。反対に、いつも柔らかい物ばかりでは、舌や頬を使って食べ物を動かす経験が不足しやすくなります。

◎よく噛むと味わう力も育ちます

よく噛むと、食べ物が細かくなり、唾液に溶けた味の成分を舌で感じやすくなります。素材の甘みや香り、歯触りの違いに気づくことは、食べる楽しさにつながります。食育というと栄養バランスに目が向きがちですが、「どのように食べるか」も大切な要素です。

ただし、「一口30回」など回数だけを厳しく求める必要はありません。噛む回数は食材や年齢によって変わります。急いで飲み込まず、左右の奥歯を使い、口を閉じて落ち着いて食べられているかを見守りましょう。食事中にテレビや動画へ集中すると、噛むことへの意識が薄れやすいため、家族で会話を楽しめる食卓づくりも役立ちます。

◎姿勢が崩れると噛みにくくなります

椅子が高く足がぶらぶらしていると、体が安定せず、顎や舌に力を入れにくくなります。背中を起こし、膝がおよそ直角になり、足裏が床や足台につく姿勢を整えましょう。机と椅子の高さも、お子さまの成長に合わせて見直すことが大切です。

また、いつも片側だけで噛む、口を開けたまま食べる、飲み物で流し込むといった様子が続く場合は、歯の痛み、鼻づまり、舌の動かしにくさ、噛み合わせなどが関係していることもあります。単なる癖と決めつけず、小児歯科でお口の状態を確認すると安心です。

2.唾液がお口の健康を守る仕組み

◎唾液は食べ物をまとめて飲み込みやすくします

唾液には、口の中を潤し、噛み砕いた食べ物をまとまりやすくする働きがあります。十分に唾液と混ざることで、食べ物は舌で喉の奥へ送りやすい状態になります。口の中が乾いていると、ぱさつく物が食べにくい、飲み込みに時間がかかる、粘膜に食べ物が張りつくといったことが起こりやすくなります。

噛む刺激は唾液の分泌を促します。朝食を抜いたり、柔らかい物を短時間で食べたりする生活が続くと、食事中に十分噛む機会が減ります。毎食で特別に硬い物を用意する必要はありません。根菜、きのこ、海藻、肉や魚など、食感の異なる食材を組み合わせると、自然に噛む回数を増やしやすくなります。

◎唾液にはむし歯予防を助ける働きがあります

食事やおやつを取ると、お口の中では細菌が糖を利用して酸を作り、歯の表面からミネラルが溶け出しやすくなります。唾液には、酸性に傾いたお口の中を中性に近づける働きがあります。また、唾液に含まれるカルシウムやリンなどが歯の表面へ戻ることで、ごく初期の変化を修復する再石灰化も助けます。

さらに、唾液は食べかすや細菌を洗い流し、口の粘膜を守ります。ただし、唾液が出ていればむし歯にならないわけではありません。歯垢は歯に付着する細菌のかたまりで、うがいだけでは十分に落とせません。むし歯予防には、フッ化物配合歯磨き剤を用いた毎日の歯磨き、保護者による仕上げ磨き、必要に応じたデンタルフロス、間食の時間を整えることが欠かせません。

◎だらだら食べは唾液の働きを生かしにくくします

食べるたびにお口の中は酸性へ傾き、その後、唾液の働きによってゆっくり元の状態へ戻ります。お菓子や甘い飲み物を長時間少しずつ口にすると、歯が酸にさらされる時間が長くなります。おやつは時間と量を決め、水分補給は水やお茶を基本にしましょう。

就寝中は唾液の分泌が少なくなるため、寝る前の飲食にも注意が必要です。歯磨き後に甘い飲み物を飲む習慣があると、むし歯のリスクが高まりやすくなります。食べた内容だけでなく、食べる時間や回数も見直すことが大切です。

◎水分補給と鼻呼吸も大切です

唾液を増やそうとして、食事中に飲み物を何度も流し込むと、十分に噛まないまま飲み込む習慣につながることがあります。水分は必要ですが、まずは口の中で食べ物を細かくし、唾液と混ぜてから飲み込むことを意識しましょう。口呼吸や鼻づまりが続くと、お口が乾きやすくなります。寝ているときに口が開く、いびきがある、唇が乾きやすいといった場合は、歯科医院や耳鼻咽喉科への相談も検討してください。

また、唾液の量や性質には個人差があります。薬の影響や体調によって口が乾くこともあるため、強い乾燥が続く、食べにくい、口臭が気になる場合は自己判断で済ませず、原因を確認することが大切です。唾液の状態は、むし歯のなりやすさを考える手がかりです。定期検診で生活習慣も相談し、ぜひ日々の家庭のケアに役立てましょう。

3.家庭でできる食育と口腔機能の育て方

◎発達に合う「噛みごたえ」を選びましょう

噛む力を育てるために、硬いせんべいや大きな肉を無理に与える必要はありません。噛み切れない物を口へ入れると、丸飲みや窒息につながるおそれがあります。大切なのは、現在の歯の本数、噛み合わせ、舌の動きに合った食材を選び、少しずつ食べ方の経験を広げることです。

例えば、同じ野菜でも、柔らかく煮る、やや大きめに切る、繊維を残すなど、調理法によって噛みごたえを調整できます。肉は筋を切り、魚は骨を丁寧に除きましょう。子供が食べにくそうにしているときは、叱るのではなく、食材の大きさや硬さが合っているかを見直してください。安全のため、食事中は姿勢を整え、歩きながら食べさせないことも重要です。

◎家族のお手本が習慣づくりにつながります

お子さまは、大人の食べ方をよく見ています。保護者が早食いをせず、口を閉じて噛み、食べ物を味わう姿を見せることは、わかりやすい食育になります。「よく噛みなさい」と繰り返すより、「にんじんはどんな音がするかな」「右と左の奥歯で噛んでみよう」など、遊びを交えた声かけのほうが取り組みやすいことがあります。

食事時間が長すぎる場合は、集中できる環境を整え、一定の時間で区切りましょう。食べる量には個人差があるため、完食だけを目標にすると食事が負担になることがあります。噛めたこと、新しい食感を試せたことを認め、無理なく続けることが大切です。

◎気になるサインは早めにご相談ください

年齢が上がっても丸飲みが多い、硬さのある物を極端に嫌がる、食事中によくむせる、口からこぼす、いつも口が開いている、発音が不明瞭といった様子は、口腔機能の発達を確認したいサインです。乳歯のむし歯や歯茎の腫れ、歯の生え方、噛み合わせのずれが、噛みにくさの原因になる場合もあります。

小児歯科では、歯や歯茎だけでなく、唇の閉じ方、舌の位置や動き、飲み込み方、呼吸の状態なども確認します。必要に応じて食べ方の助言やお口のトレーニングを行い、成長を見守ります。定期検診では、むし歯を早期に見つけるだけでなく、食べる力が年齢に応じて育っているかを確かめることもできます。

噛むこと、唾液、歯磨き、食習慣は、それぞれ別の問題ではありません。毎日の食卓とセルフケア、歯科医院での確認を組み合わせることで、お子さまのお口の健康を支えやすくなります。気になる癖や食べにくさがある場合は、早めにウィズ歯科クリニックへご相談ください。

まとめ

よく噛む習慣は、唾液の分泌を促し、食べ物を安全に飲み込む力や、食事をおいしく味わう力を育てます。ただし、硬いものを無理に食べさせればよいわけではありません。年齢や発達に合った食材を選び、姿勢や食べ方も意識することが大切です。食べにくさや噛み合わせが気になる場合は、ぜひウィズ歯科クリニック新松戸へご相談ください。小児歯科では、お子さま一人ひとりのお口の発達に合わせてサポートいたします。

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